幽谷の姫君「ヒメシャガ」
- yonebk3fdp8432
- 2018年5月4日
- 読了時間: 2分
今日の新温泉浜坂は、まだ風は残っていますが前日の雨も上がり快晴。
八十八夜も過ぎ近隣の田んぼでは田植えも始まりました。
そんな初夏へと向かう季節に
米田屋では人煙まれな山中に咲くこの花が開花しました

自然界ではやや乾燥した樹林や崖に自生するヒメシャガの花
普通のシャガは中国からの帰化植物ですがヒメシャガは日本の固有種となります。
その名前は帰化したシャガに似た花を付け、小型である事から名付けられました。
《注意とお願い》
自生地では群生しますがレッドデータブックに準絶滅危惧種と記載されている植物です。
絶滅に近い地域もあり、自然界で見かけたときは決して盗掘はせず、その場でこの美しい花を楽しんで下さることを切に望みます。
勿論、小店栽培の個体も自然採取ではなく信用ある栽培業者より仕入れ増やした個体です。

姫の名を冠するに相応しい普通のシャガより小さな草丈に繊細な葉姿
葉も照り葉では無く色も薄い事で儚さすら感じます。
また、普通のシャガは冬場も葉が有る常緑植物ですが、ヒメシャガは冬場は葉を落とす事も大きな違いです。
この記事を書いていて思い出した中国から帰化した
普通のシャガの不思議を紹介
日本中あちこちで見かける普通のシャガですが、実は日本に帰化したシャガは実を付けることが無く、日本全国どのシャガもまったく同じ遺伝情報を持っています。
その特徴から推察して、古来の人々が日本中にシャガを植えて行き、それが現代日本中で群生していると考えられています。
シャガの群生地に人の営みの跡が見られること、また人の介入が無い地域に群生地が存在しない事もこの推察の後ろ盾となっています。
里山でよく見かけるシャガがすべて一つの個体から人為的に増やされ、植えつけられていったなんてとても不思議で未だに信じられない話です。
そして故郷の中国のシャガは実も付け(種からも繁殖可能)、花姿も八重咲きなど様々な種類が存在します。
この違いは日本のシャガが3倍体という種無し葡萄やスイカと同じ遺伝情報数なのに対し、故郷の中国では2倍体という普通の遺伝情報数であることが原因です。
この点もそんな古来に偶発的に発生した個体が日本に植えつけられたのか、そういう種を人為的に作る技術が当時あったのか不思議がいっぱいの植物です。
詳しい方が読んでおられたらその答えをぜひ知りたいです。
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